このブログと入管の検閲について(ブログ管理者より)

  本ブログについて、東日本入国管理センターからの(所長じきじきからの)リアクションがありましたので、読者のみなさまにお知らせいたします。なお、今回のこの記事は、毎回Big_Papaさんに代わって更新作業をおこなっている nagai が執筆しています。
  この「リアルタイムな収容所!」は、東日本入国管理センターにいま現在収容されているBig_Papaさんによるブログですが、これがどのような方法で更新されているのかについて、まずは説明いたします。
  日本の入管収容施設は、被収容者にパソコンや携帯電話の使用をいっさい認めていません。したがって、被収容者が外部に発信する手段は、郵便、収容所内に設置された公衆電話、面会や面会をとおしての書類等の宅下げに限られています。郵便や宅下げの書類は、収容施設の職員が検閲し、許可したものに限り、外部に発送できます*1
  本ブログは、Big_Papaさんが収容所内で書いた手書きの原稿を郵便で私に送り、わたしがこれをパソコンでアップロードするという方法で更新してきました。また、コメント欄などでいただいたコメントは、私が印刷して郵送や面会時の差し入れでBig_Papaさんに届けております。
  これまでも、Big_Papaさんが発送しようとした原稿が職員の検閲にひっかかり、発送にあたって修正を要求されるということは何度かありましたが、11月24日にBig_Papaさんが職員から呼び出され、「所長からのメッセージ」として、このブログに関連して以下6項目からなる警告を受けました。

  1. 被収容者の国籍の記載は認めない。
  2. 身分事項(性別、年齢、肌の色など)についての記載はすべて認めない。国名をイニシャル表記にするのも認めない。
  3. 収容されている第三者についての記載は認めない。
  4. 11月30日まで猶予を与えるので、すでに公開されている記事について、それまでに1~3の修正をせよ。
  5. 1~3のブログの修正が確認されないうちは、外部発信を禁止する。
  6. 11月30日までに1~3が改善されていなければ、今後のnagai宛ての発信を保留する。


  「被収容者処遇規則」第三十七条によると、「当該通信文の内容に収容所等の保安上支障があると認める部分があるとき」に、通信文の訂正または抹消を指示することができるとなっています。これまでのブログの記述のどの点が、またどのような理由で「保安上支障がある」と言えるのか、理解に苦しみます。また、(検閲や発信禁止を入管がおこなってよいとする根拠にはなりえないことですが)他の被収容者のプライバシーを侵害する記述がこれまでにあったとは、わたくし(nagai)個人としては考えておりません。
  しかし、現実的に、文書の送受信ができなくなることは、Big_Papaさんと私の双方にとって不都合を生じることなので、Big_Papaさんと話し合った結果、所長による以上6項目の要求に従うことにしました。
  したがいまして、「猶予」として通告された11月30日までに、これまで公開した記事について、1~3までの修正作業をおこなうこととします。
  今後とも本ブログおよび入管収容施設の状況にご注目ください。

 

                                                                       nagai(ブログ「リアルタイムな収容所!」管理者)

*1:法務省「被収容者処遇規則」の第三七条がこの検閲の法的根拠ということになるようです。